制度の3つの大きなメリット
この制度の一番の魅力は「安心感」です。具体的には以下の3つの大きなメリットがあります。
- 紛失や偽造の心配がない:
- せっかく書いた遺言書も、タンスの奥にしまい込んで忘れてしまったり、火事や災害でなくなってしまったりする心配がありました。でも、法務局に預ければそうしたリスクがなくなります。
- ご家族に勝手に書き換えられたり、捨てられたりといった、心ないトラブルも防ぐことができます。
- 相続手続きがスムーズになる:
- 今までは自筆の遺言書を見つけた場合、家庭裁判所で「検認」という手続きが必要でした。これには時間も手間もかかりますし書類を揃えるのも大変でした。
- この制度を利用すれば、検認が不要になります! このおかげで、相続開始後の手続きが楽になります。
- ご家族への通知サービスがある:
- 遺言書を保管していることをご家族に伝えなくても、亡くなった後にご家族が法務局に問い合わせることで遺言書の存在がわかります。
- ご希望があれば、指定した人(推定相続人や受遺者)に遺言書が保管されていることを法務局が「通知」してくれます。これにより、「遺言書があることを知らなかった」という事態を防げます。
利用方法(手続きの流れ)
- 遺言書を書く:
- ご自分で遺言書を作成します。全文をご自身の手で書き、日付と氏名を書いて印鑑を押します。パソコンで作ったり、誰かに代わりに書いてもらったりしたものは受け付けてもらえません。
- ただし、財産目録についてはパソコンで作成したり、通帳のコピーを添付したりすることもできます。
- 法務局に予約する:
- 遺言書ができたら最寄りの法務局に電話で予約をします。いきなり行っても受け付けてもらえないことが多いので、必ず事前に予約してください。
- 法務局で手続きをする:
- 予約した日に、遺言書と本人確認書類(運転免許証など)、住民票、そして手数料(3,900円)を持って法務局に行きます。
- 法務局の担当者が遺言書の形式をチェックしてくれます。形式が整っていれば受理してもらえます。
- 手続きが完了すると、「保管証」というものが発行されます。これは大切に保管しておいてください。
注意点(ここが一番大事です!)
この制度はとても便利ですが、いくつかの注意点があります。ここを間違えるとせっかくの手続きが無駄になってしまうのでしっかり確認してください。
- 遺言書の内容はチェックしてくれない:
- 法務局は、あくまで「形式」が整っているかしか見てくれません。遺言書に書かれた内容(例えば「財産を誰にどれだけあげる」など)が法律的に有効かどうかは判断してくれません。
- 内容に不安がある場合は専門家や弁護士、司法書士に相談してから作成することをおすすめします。内容に不備があるとせっかくの遺言書が効力を発揮しない可能性もあります。
- 「保管証」を大切に:
- 手続き後に渡される「保管証」はご自身の遺言書を預けていることの証明です。これを失くすとご家族が遺言書の存在を確認するのに手間がかかることがあります。大切に保管しておきましょう。
- 撤回・変更は再手続きが必要:
- 遺言書の内容を変えたい場合は、一度保管したものを撤回(取り下げ)して、新しい遺言書を再度作成・保管する必要があります。以前の遺言書に書き足すことはできませんのでご注意ください。
自筆証書遺言書保管制度は、ご自身で遺言書を書く方にとってとても心強い味方です。ご不明な点があれば、いつでもお気軽にご相談ください。