エンディングノートと遺言書の役割の違い
簡単に言うと、「法的な効力」があるかどうかが一番大きな違いです。
エンディングノートは、あなたとご家族のための「想いを伝える手帳」です。
- 役割: あなたが亡くなった後、ご家族が困らないようにするための「引き継ぎノート」やご自身の気持ちを伝えるためのものです。
- 書ける内容: 形式に決まりがないので、自由に書くことができます。例えば、ご自身の医療や介護の希望、お葬式の形式、お墓のこと、ペットの世話をお願いする気持ち、パソコンやスマートフォンのパスワードなどご家族が知りたいと思うことをなんでも書けます。
- 有効性: 法的な効力はありません。 記載した内容は、あくまでも「お願い」という扱いになります。
遺言書は、ご自身の財産をどう分けるかを法的に定める「法律の書類」です。
- 役割: 財産の分け方を法的に有効な形で残し、ご家族の間で相続争いが起きないようにするものです。
- 書ける内容: 法律で定められた項目(遺言事項)しか法的な効力を持ちません。例えば、誰にどの財産をどれだけ相続させるか、子供の認知、遺言を執行する人(遺言執行者)の指定などです。
- 有効性: 法的な効力があります。 法律の要件を満たして作成されていれば遺言書の内容は法定相続よりも優先されます。
両方を活用するメリット
エンディングノートと遺言書は、それぞれ役割が違うからこそ両方を一緒に活用することでより安心して未来の準備ができます。
- ご家族の負担を大きく減らせる
- 遺言書で財産の分け方をはっきりさせておけば相続手続きがスムーズに進みます。
- エンディングノートには、保険証券の場所、銀行口座の情報、パソコンのパスワードなど、ご家族が手続きを進める上で必要な情報をまとめておけます。これにより「どこに何があるかわからない」というご家族の負担を減らすことができます。
- 法的なことと想いの両方を伝えられる
- 遺言書では、法的に有効な形で財産の分け方を指定できます。
- エンディングノートには、法律では書けないご家族への感謝の気持ちや財産を分けることになった理由、ご自身の人生観などを自由に書き残せます。
このように、遺言書で「財産の分け方」を法的に決めておき、エンディングノートで「ご家族への想いや手続きに必要な情報」を伝えるという使い分けをすることであなたの意思を漏れなくそしてご家族の心にも寄り添った形で残すことができるのです。