なぜ、判断能力が低下する前に遺言書を作成する必要があるの?
「遺言書」と聞くと「なんだか大げさ」「まだ早い」と思われるかもしれません。実は、認知症などで判断能力が低下してしまうと、遺言書を新しく作成したり、内容を変更したりすることができなくなってしまうのです。
これは遺言書が「自分の意思で財産の分け方を決める」というとても大切な意思表示だからです。法的には、遺言能力(判断能力)がない人が作成した遺言書は無効とされてしまいます。
遺言書がない状態で相続が発生すると相続人全員で話し合い(遺産分割協議)をして、誰がどの財産をどれだけ受け取るかを決めなければなりません。
- 話し合いがまとまらないリスク
- 例えば、お子さん同士で「私は実家を継ぎたい」「いや、私は現金がいい」などと意見が食い違い、揉めてしまうケースがあります。
- 話し合いがこじれてしまうと時間もかかりますしお子さんたちの関係が悪くなってしまうことも…。
- ご家族への負担
- 認知症になったご本人の代わりにご家族が奔走しなければなりません。
- 不動産の名義変更や預貯金の解約など、手続きが複雑で大変な作業になります。
ご本人の気持ちを尊重し、ご家族が争うことなくスムーズに相続を進めるためにもご本人の意思がはっきりしているうちに遺言書を作成しておくことが何よりの親孝行でありご家族への思いやりになるのです。
遺言書を作成するベストなタイミングは?
「じゃあ、いつ作ればいいの?」と迷いますよね。 結論から言うと「早すぎることはありません」。
一般的には以下のようなタイミングで検討される方が多いです。
- 「まだ元気!」と感じている今
- ご自身の判断能力がしっかりしているうちに作成することが何よりも重要です。
- 「まだ先のこと」と思わず健康診断などでご自身の体の状態をチェックするタイミングで、「遺言書」についても一度考えてみるのがおすすめです。
- ご家族の状況が変わった時
- お子さんが結婚したり、孫が生まれたりした時。
- 不動産を購入したり、逆に売却したりした時。
- 再婚をした時。
- 相続人の数や財産の内容が変わった時は、遺言書の内容も見直す必要があります。一度作成したら終わりではなく、定期的に見直すことが大切です。
- 特定の財産を特定の人に譲りたい時
- 「長男に家を継がせたい」「長女には預金を多く残してあげたい」など、特定の希望がある場合はその意思を確実に実現するために遺言書が不可欠です。
- エンディングノートを書き始めた時
- 「もしもの時」に備えて、ご自身の思いや希望を書き留める「エンディングノート」は、遺言書を作成するための準備としてもとても役立ちます。エンディングノートを書き終えたら、次に遺言書を検討する良いきっかけになります。
まとめ
遺言書は、ご自身の想いを形にする、ご家族への最後のラブレターのようなものです。 認知症になってしまうとご自身の気持ちを伝えることができなくなってしまいます。
そうなる前に、ご自身の元気なうちにご家族に「ありがとう」の気持ちと「これからも仲良くね」という願いを込めて、遺言書を準備しておくことがご本人にとっても残されるご家族にとっても一番安心で幸せな選択と言えるでしょう。
「何をどう書けばいいのか分からない」「誰に相談したらいいの?」という疑問があれば、いつでもご相談くださいね。一緒に、ご家族にとって一番良い方法を考えていきましょう。